写真の置物は、もう20年くらい前、インドに旅行した際に買ったジャガンナート神で、私の護り神にもなっています。
幅2cm、縦3cmほどの小さなミニチュアながら、綺麗な極彩色の絵柄が丁寧に描き込まれています。また、扉が可動式になっていて、扉を開けると三体の神様(ジャガンナートと妹と妻)が現れます。
ヒンドゥー教は多神教なので、仏教のように仏陀一人ではなく、多くの神様が同時に存在しているので、インドの人たちはそれぞれに好みの神様を祭壇に祀ったり、神様が描かれたポスターやシールをあちらこちらに貼ったりしています。カードにもなっていて、財布や定期入れに入れたりもしています。
歩いていると、民家の壁にも、仏陀とキリストとヒンドゥーの神様が並んで描かれている風景も見ることができて、改めてヒンドゥー教が多神教であることを実感します。
神様の一番人気はヒンドゥー教の3最高神の一柱、シヴァ神ですが、ジャガンナートも元々はオリッサ州・ブリーの土着神でしたが、ヒンドゥー教に習合されて以来、全国区にのし上がり人気神となっています。
デリーの路上でジャガンナートのポスターを見たときから、ユーモラスな姿形が気に入って、いつかジャガンナートの発祥の地であるインド東海岸のブリーに行ってみたいと思っていました。プリーという町名の響きも良いですね。(ちなみに、インドにはプリーという、油で揚げたぷっくりと膨らんだUFOみたいな、カレーにつけて食べる食べ物もあります)
ブリーへは、何回目かのインド旅行の際、デリーからカルカッタ(現・コルカタ)まで寝台特急で一夜、カルカッタから電車で8時間ほどをかけて行きました。
ブリーは長閑な田舎町で、とても良いところでした。
宿の背後には海(ベンガル湾)が広がり、インドの子どもたちに混じって海水浴もしました。
ジャガンナートを祀る寺院には異教徒である外国人は入れませんが、6月~7月に開催するお祭り「ラタ・ヤートラ」で3人を載せた巨大な山車が繰り出される有名な大通りを見ただけで感激しました。
大通りには土産物屋さんがひしめいていて、お店をのぞいてはジャガンナートグッズの品定めをして楽しい時間を過ごしました。
夕方には、再度、海岸に出かけてベンガル湾に沈む夕日を見ました。
旅の思いがそうさせるのか、インドで見る夕日はいつも感傷的です。