昨夜の米雇用統計の公表は久しぶりに緊張しました。
結果は良い方向に上ぶれしてホッとしました。まぁ、雇用統計自体のボラティリティの高さに驚きましたが・・・。
さて、半年前まではザラ場もほとんど見ることなく夏のチャイナ・ショックも直前にCP100%に移行できたのですが、慢心からか年初からの暴落に不覚を取ってしまったことから、今では見る見ないにかかわらずPCを起動させて、ザラ場をチラ見することが多くなりました。
そんな中で体感的に感じることは日中足においても「買い」で取れる時間よりも「売り」に有利な時間が圧倒的に多いことです。
また、日足においても同様で、上げるときはコツコツと日数をかけて上げるのに対して、下げるときは短い日数でドスンと大幅に下げている印象があります。
また、騰落レシオも6月以降は高値圏の120に接近することなく、100程度が上限で下降に転じています。
6/8(金)に16,830円の高値をつけた際には、日足の三役好転とともに13週移動平均線が上向きとなり2/12安値の14,865円の大底確認から陽転に移行したと考えましたが、その後から現在の動きを見る限り、上昇基調に移行していくには、なお時間を要するのではと考えています。
これまで政府が常套句として使用してきた「日本経済のファンダメンタルは良好」はそれほど的外れではなかったと思いますが、円高圧力の高まりという外圧によって企業収益の低下が現実化する局面に入っています。
米国からすれば2011年の1ドル75円から昨年の125円まで円安を容認してきたのだから、(その間に準備はできたのだから) 今度は、繁栄のボールを米国に渡してくれと主張することにも正当さがあるように思います。
したがって、今回、米雇用統計が良好な数値となり日経平均の危機は一時的に緩和されましたが、しばらく円高を甘受しなければならない状況が続く可能性は高いと思っています。
現在の日経平均チャートが2007-2008のリーマンショック時に類似していることは多くの識者が指摘しており、確かに一目均衡表やMACDなどの指標の類似性が高いように見えます。
昨夜、米雇用統計発表後にドル/円が再度100円を割る場面もあり、また、ここ数日の円高圧力も強いように感じていますので、一定の戻りの後、再度円高を試しに来ても不思議ではない感じがします。
反転上昇の期待感として、『10兆円超の財政出動』が挙げられますが、安部首相は消費増税延期の記者会見で「この秋にまとめる経済対策」と述べただけで、その後も(参議院選挙中も)具体的な政策の中身には一切触れておらず失望感を誘っていましたが、週明けにも「ヘリコプターマネー」の有効性を主張する前FRB議長のバーナンキ氏が安倍首相や黒田日銀総裁と意見交換するとのニュースもあり、消費増税延期の布石として利用したクルーグマン教授との会合と同様の臭いも感じます。
メインシナリオとしては、秋の経済対策で10兆円超の財政出動が実現し、その時期が転機になると思っていますが、逆に、それまでは厳しい展開が続く可能性もあると思います。
ただ、財政出動の有無や規模が期待外れに終わることも想定されることから注意を要する時間帯に入ってしまったように感じます。
いずれにしても、期待していた週足3本の移動平均線が下向きに転換し、月足の6ヶ月及び12ヶ月移動平均線と24ヶ月移動平均線がデットクロスしており、これを陽転させるには、大陽線の連続または数ヶ月以上のもみ合い期間が必要と思われます。
蛇足
本日、参院選関連のテレビニュースで、反原発のイメージしかなかった山本太郎さんが街頭で「安部さん、早く財政出動をやってくれ」と叫んでいる様子が映っていて、いつの間にこんな素晴らしいことを言うようになったのかと驚きました。
・・・YouTubeで確認したら『日曜討論』で、「子育て、教育、福祉、介護、教育、そういうところに財政出動する。ここ成長分野ですから。全体の景気を押し上げるには、これしかないんです」って言ってますね。
素晴らしすぎる。